最近SNSでも頻繁に目にするようになった、ライブによる耳へのダメージが私も気になってきた。
ライブ用の耳栓なるものがあり、それをしたほうがいいよと推奨されることもなんとなく知っていたのだが、今得られている幸福が得られなくなってしまっては意味がないと、ずっとスピーカー前を避けるなどの地味な対策で過ごして耳栓は使用せずに来たのだが、あるきっかけがあってようやく、「いよいよ着けるか…」と重い腰を上げた。
きっかけに関しては最後に述べるとして、まずは使用した感想を。
環境としてはライブハウス(収容人数500人)の後方中央、ロックバンドのスタンディングのライブ2時間強です。
聴こえ方の感想
「なんなら耳栓着けたほうがクリアでよく聴こえる」なんて聞いたことはないだろうか。
どこでこんなことを聞いたのかは忘れてしまったのだが、結論からいうと
そんなことあるわけなかった。
ライブ用と言えど耳塞いでるんだから塞いでない時より良く聴こえるわけないだろって思っていたのだが、案の定といった感じだった。
当たり前と言えば当たり前で、普通に聴こえは悪くなる。特にベースの音はかなり聞こえなくなってしまった印象だ。
「クリアに聴こえる」説だが私の感想としては、「クリアで綺麗に聴こえるぞ!」というよりかは、広がった分の音がカットされて結果的に音の輪郭ははっきり聞こえるといった感じだった。
よく言えばクリアと言えるかもしれないけれど。
耳へのダメージの感想
耳へのダメージはかなり軽減された感覚があった。
これまでは小さめのライブハウスなんかに行くと終わったとは、耳の中に一枚水の膜があるかのような感じで明らかに様子が違ったのだが、今回はそれを感じることが無かった。
また、途中で一旦耳栓を外してみたのだが、急に生で聴くと「あぁ、これが耳へのダメージってやつか」と思うの音が確かにあった。
具体的には会場の大音量に対する共鳴音的な音やハイハットなどの残響で、シャーという音がかなり大きく聞こえる。しかもとめどない。
聴きたい音も多少カットされてしまうが、耳に悪そうな音をカットしてくれているのもまた事実だなと感じた。
装着のコツ
しっかりと装着した状態で1曲目を迎えたが、「これはちょっとあまりにも聞こえなさすぎる」と調節をし、実質2曲目から曲に集中できた。
かなり浅め、もう耳に乗っけてそのあと落っこちない程度に中に入れるくらいの感じだ。
この浅めに装着した状態から外してもかなりの差を感じたので、浅めでもしないよりはかなり効果が得られていると思われる。
使用したライブ用耳栓
ライブ用耳栓と言っても色々あり、いくつかのレビューを見てこの商品に落ち着いた。
これの何が評価されているのかというと、大体聴こえの劣化が最小限であるという点だった。
耳栓購入検討段階でレビューを検索してみたが、どこもことごとくコレ推しなのだ。
一つや二つであれば疑いの余地ありなのだが、明らかな個人ブログでもこれの評価が高く、わざわざ反抗して別のを購入する理由もなかったためあまり迷うことなくこちらを購入。
実際、機能云々を除いても大小のサイズ展開があることは大きいのではないかと思う。
小さいほうを選べばより軽めに装着が可能となる。
私は耳栓ごとの聴き比べとかをしているわけではないので、いよいよ買うぞという人はレビューサイトがいくつもあったのでそういったところを参考にしてみると良いかと思う。
耳栓着用のきっかけ
前々から「ライブでは耳栓をしたほうが良い」ということは聞いており、耳栓を購入するところまではずいぶん前にしていた。
それでもなお、100%ライブを楽しめないのではないかという懸念があって実用を先送りにしていた私が今回、ついにライブで耳栓するか…と思えたきっかけはとあるブログである。
年間30回以上ライブ会場に行くバンギャルが耳を壊してしまい、耳栓しておけば良かった…
という内容だったのだが、このブログを書いた方が年間30回以上のライブ参戦回数であったのに対し、自分はライブハウス・ホール・アリーナ・野外すべて含めると50回以上ライブ会場に行っているのだ。
これは他人ごとではないと。
教えてくれてありがとうございます、私もずっとライブ通いたいからやっぱり耳栓しなくちゃダメだと。
これが実際にライブで耳栓を着用しようと踏み切った経緯である。
ライブで耳栓はアリかナシか
では、結局ライブで耳栓してみてどうだったのかと。
ここからはより私の主観である。
結論、楽しかったか楽しめなかったかで言ったら、楽しめた。
しかし、100%楽しめたかと訊かれたら自信がない。
アーティストは100%でやってくれたに違いないのに、こっちが100%楽しめたかって言われて即答できないの、本当に申し訳なさすぎる。
そして、終わった後に耳が楽だったから次回もぜひ使いたいかと言われたらそれも即答できない。
「使ったほうが絶対良いんだろうし、結果楽しかったけども…けども!」という感じ。
つまり、私的にはナシです。今は。
終わった直後は、言っても楽しめたし、アリかな?あとは慣れかな?と思ったはずなのだが、時間が経つにつれて「本当に私はあの時100%楽しんでいただろうか」という考えがモヤモヤと…。
ただし完全にはしゃぐのが目的だったり、クラブとかそういう場所であれば大いにアリだと思う。
むしろそういう時は積極的に活用したい。
けどやっぱり、アーティストの生演奏を聴くのが目的で行っているんだったら耳栓したくないな…と思ってしまったのが、いけないけど、めちゃくちゃ正直な感想だ。
耳栓しててももしかしたら100%だったかもしれないけど、そこはやっぱり自分も胸を張って万全と言える状態で聴きたい。
かといって、耳ぶっ壊して二度とライブが楽しめなくなってもいいのか!と言われたらいいわけないのもあり、複雑である。
まぁ上手い話はなくて、耳を休ませないんなら耳栓をする、耳栓したくないならライブはほどほどに、っていうことなんだろう。
考えると、個人的には耳栓して50回行くよりも、耳栓なしで20回の方がいいのかなぁと。
それくらい1回を完全燃焼したい人間なので…。
・短スパンでライブハウスに行くのをやめる
・スピーカー前を避ける
・フェスなどの長丁場では耳栓を活用する
・日常では耳を休ませる
といった対策で耳をかばっていきたい考えだ。いまのところ。
フェスで本番以外に耳栓するのはすごく効果的なんじゃないかと思いたい。
実際、去年のCOUNT DOWN JAPANの最終日、年明け後の枠では耳がしんどいなと思った記憶がある。
フェスって自分がまともに見ている時間以外も他からの音が凄かったり、サウンドチェックの音が凄かったりと、良いものもそうでないものも含めて常時音の渦という状況だ。
そういったカットされて構わないものをカットするのはかなり意味があるのではと思う。
この使い方は自信を持ってオススメできるので、何にせよ一個は持っておいてもいいのかな?と。
耳を休ませることも大切ということで、日常で大きな音を聞かないようにしたり、無音の時間を作るようになった。
それまで隙あらば音楽を聴いていたのを、無音で作業するようにしたり。
運転の音に勝てる音量で鳴らしていたカーステレオの音量を下げたり。
そういうのでなんとかできないかな…甘いかな。
そんなわけで、感情論で言うと自信をもってオススメはできない結果。
けど、したほうが絶対耳にはいいと思う。そんな感想。