サカナクションのベストアルバム「魚図鑑」「魚大図鑑」についてる図鑑の魅力がはんぱない

デビュー10周年となったサカナクションが、初のベストアルバム「魚図鑑」をリリースした。
ベストアルバムが出るとは何かのタイミングで知っており、けれど買うのはやめておこう、お金もないし。そう思っていたのだが結局購入してしまった。
意志の弱さ…。しかし買ったことに関して何一つ後悔していない。何であれば安すぎる。それほどに素晴らしい作品に仕上がっていた。

3種類の限定仕様

このベストアルバム「魚図鑑」は以下3種類(細かく分けると4種類)。

・完全生産限定盤プレミアムBOX(CD3枚組+魚大図鑑)
・初回生産限定盤A(CD2枚組+魚図鑑+Blu-ray)/ 初回生産限定盤B(CD2枚組+魚図鑑+DVD)
・期間限定生産盤(CD2枚組+魚図鑑)

まずもって、言葉の意味が難しい。
こういうものって大体の場合が「初回生産限定盤・通常版」の2択で、迷わず初回生産限定盤に手をのばせていたのだが今回ばかりは色々と違う。
とりあえず、言葉の意味を調べてみた。

完全生産限定盤 予め予定された生産数のみ生産し、以後生産しない。
初回生産限定盤 初回生産分のみ特別仕様で生産し、初回の在庫がなくなったら通常版のみの販売に切り替わる
特典やパッケージを除くメインとなる商品そのものは通常版と変わらないことが多いらしい。
期間限定生産盤 決められた期間のみ生産(回数の縛りが無い)。

完全生産限定盤と初回生産限定盤の違いは、初回分を売り切った際に代替となる存在(要するに通常版)があるかないかといったところにあるようだ。

ちなみに完全生産限定盤はオンラインでは全て在庫切れ、店舗もいくつか回ったが少なくとも私が回ったところは予約分だけで終了とのことで(愛知県内3店舗)、すでに手に入らないものとなっている。つまりはCDの「Disc3」が手に入らないものになっていることを意味する。
初回生産限定盤に封入されている映像はあくまでも商品の「本編」ではないが、CDの「Disc3」となるとそれは「本編」扱いになるのだろう。

「図鑑」があまりにも素晴らしすぎる

出典:楽天ブックス

前置きが前置き以上のボリュームになってしまったが、特筆すべきはその商品に付属している冊子「魚大図鑑」と「魚図鑑」である。

ネタバレとかそういったことが怖いのであまり多くは言えないのだが、まさに図鑑なのだ。
収録曲1曲1曲を魚と例え、解説という以上にあまりに丁寧な解説がされている
丁寧な中にもユーモアがあり、Disc1なんて特に何回も聴いた曲だがもう一回聴いてもう一回これを読みたいと思うほど。

1曲1曲にスポットを当てたものももちろん素晴らしいのだが、収録曲全体に対するまとめなんかもあって、しかもそれが美しくデザイン的にまとめられている
…私の説明が悪いせいでなんのこっちゃと思われるかもしれないが、「収録曲全体をどの尺度でまとめているのか」という点も含めて胸熱なのでそこは書けない。

読んで面白い、見て美しいそんな作品に仕上がっており、もちろん内容も良く(Instagramのライブ配信でたまたま知ったが、全編リマスタリングとのこと)、サカナクションの「総合芸術」がここでも感じられる

ちなみに私が手にしたのは初回生産限定盤であるが、ニワカの私がその全魅力の2/3である初回生産限定盤を見てこれなのだ。
Disc3の「深海」に到達しているコアファンで完全生産限定盤を手に入れた人たちは今頃どうなってしまっているのか。ついいらん心配をしてしまう。

こんなにも自分たち自身というコンテンツの魅力を自覚し、それを表現し伝える実力もあるバンドはそうそうないのではないかと感じた。
大げさではなく本当にそう感じるほどに素晴らしい作品である。
「魚大図鑑」を手に入れている友人がいるので機会があったらぜひ見せてもらいたい。

ベストを買うのって悩むのだ。音源をすでに持っている場合ならなおさら。
しかしこの「魚図鑑」は十二分に買う価値があった。
音源も全編リマスタリングとあり、その細かな違いが分かるかわからないかは置いておいて「中身はもってる」と思わずに買えるし。

「きっと今までのCDも買ってくれているファンも買うだろうから、せっかく買ってくれるのならそういう層にもより買ってよかったと言われるものにしたい」という気持ちが受け取れる。

期間限定生産盤の生産期間が終了したら、図鑑が無いいわゆる「通常版」に切り替わり、図鑑は現在の大図鑑同様手に入らないものになるだろう
もしも、このブログを読んでいる人に買うか迷っている人がいたら、「私は値段以上の価値を見ましたよ」と言いたい。