Fear, and Loathing in Las VegasはClean VocalのSoさんがフロントマンであり、初めて観る人はまずはそこに目も耳も行くだろう。
けど、初めて観た人に忘れられない印象を与えているのはScream Vocalとその型にはまらない作曲かと思う。
バンドはもちろん、全員がいて初めてというのはもちろんだが、ラスベガスがラスベガスであるという、アイデンティティの多くを担っているのはScream Vocal/KeyのMinamiさんなのではないだろうかと、新参ながらに思うのだ。
Fear, and Loathing in Las Vegasを知れば知るほど、Minamiさんは魅力的だ。いい意味で人間らしくない。歩く才能って感じ。
圧倒的存在感のスクリームボーカル
まず、ラスベガスの分かりやすい最大の特徴、スクリームボーカル。
このバズリズムの「なんちゃらラスベガス回」でも紹介された「Virtue and Vice」のココはやっぱり分かりやすいが、Fear, and Loathing in Las Vegasの楽曲はこれに限らずメリハリがとにかくかっこよすぎる。
目まぐるしく変わるラスベガスの楽曲の中でも、カチッとテイストを変えるのにこのスクリームボーカルの力は大きく影響している。
予備動作ナシで急にくるこの感じ、人間らしさは一切感じない。Fear, and Loathing in Las Vegasを演奏するサイボーグみたいだ。(褒めてる)
「動けない」はずのキーボードパートとは思えないライブパフォーマンス

ドラムとキーボードほど動けない楽器ってなくなかったっけ…?と言いたくなるほどに動く動く。それに踊る。
キーボードと弾いていない時間は歌うかステージいっぱいを使って動き回っているといった感じで、隙が全く無い。
「え、そんな遠くまで行って、次のピアノのフレーズ間に合うの!?」となるが、間に合う。(余計なお世話)
間に合わなきゃダメだけど、なんで間に合うんだ…。
長身とそれにに伴った細長い手足で、目まで覆いかぶさる黒髪に真っ黒な服装が多いのにも関わらずすごく目を引く。それでも初回はSoさんに目が行くわけだから、Soさんも相当にすごいのだが。
他に無い作曲
歌詞サイトなんかで見てみると、作詞曲は「Fear, and Loathing in Las Vegas」となっているが、主に作曲を手掛けているのはMinamiさんとSxunさんとのこと。
ラスベガスの楽曲最大の持ち味ともいえる複雑な展開と、その最大の持ち味によって音楽が壊れてしまわない、聴いている人を置き去りにしない、絶妙で天才的なバランス感覚。
これ、一歩でも感覚がズレていたらFear, and Loathing in Las Vegasはこんなにも売れていなかったと思うのだ。
作曲を担当する人は相対的に他のメンバーよりも練習時間がとりにくくなる中で、あの難しいパートをあの隙の無さで磨き上げているという事実。弱点が無さすぎて何も言えない。
公式情報ではないが、DrumsのTomonoriさんが始めたFear, and Loathing in Las Vegasで、最年少はMinamiさんとSoさんとのこと。
MCはもちろん、TVなどでも演奏以外でMinamiさんが口を開くのはまず見られない。
喋りこそ全くしないために(そういう人間っぽいことをして、変にキャラクターや印象がブレてしまうのを防止しているのか)、自発的に知ろうとした人にしか知り得ないのだが、最年少ながらにしてFear, and Loathing in Las Vegasの軸を担っているのがだんだんとわかってきて私の中でのMinamiさんの魅力は増すばかりで大変だ。