好きなバンドのTシャツを着てるときに無意識に「いい人」を目指してしまう心理について

普段から悪い行いをしているのかと言ったらそうでもないが、好きなバンドの名前が入ったTシャツおよびグッズを身に付けているときはなおの事自分の行いに注意しようという意識が芽生える。悪い行いをしないように、というよりは、悪気なく悪い行いをしないようにやたらと気を付けるようになる。

例えば、物販列で無意識に割り込でしまっていないかとか、写真を撮っている人たちの間を通ってしまわないかとか、さっきこれ開けたときのごみどこいったっけとか、そんな感じ。
一目で好きなバンドのファンとわかる格好をしている以上、できる限り「マナーのいいひと」「親切なひと」でありたいとなんとなく思うのである。

そもそもの身に付けているアイテム数や、全員がステージに向かっていないなど条件が違いすぎて、ハロウィンイベントと比べること自体間違っているかもしれないが、渋谷のハロウィンイベントの終わった後の様子を見ると、同じようにパーティーピーポーが集まって大騒ぎしていた場所なのにずいぶん違うものである
それも「このバンドのファンである時間に悪いことはできない」という謎意識からくるものなのだろうかと感じている。

「中高生の制服」心理

そこまで気にしてもいないが、間違っても自分が好きなバンドの風評被害の原因になることは避けたい
それももちろんだが、例えば後ろから「これ落ちましたよ」って渡してあげたときに「あの○○ファンのお姉さんが」と思ってくれることが、それでバンドの評判がよくなるとかでは多分ないけれどなんかうれしい。
今わたしの代名詞はただのお姉さんではなく、「○○ファンのお姉さん」なのである。それがすでにうれしい。(?)

この、ライブの時にやたらいい人になってしまう現象が私だけではないはずだと言える理由は、周りも同じようにしてくれるからである。
好きなバンドのグッズを身に付けるのってなかなか、中高生のときの制服くらいの役割があるなと、中高生の制服よりもむしろ、好きだし大人なぶんその効果もあるなとつくづく思う。
要は「○○ファンのお姉さん」としてのプライドが多分私の中にある

このバンドを好きな人に悪い人はいない(そうであってほしい)心理

色んなバンドのファンが集まるフェスのみならず、ワンマンに行った時だってみんな知らない人のはずなのになにかと親切である。
自分の好きなバンドをあなたも好きなんですねという親近感もあると思うが、「自分の好きなバンドのファンはいい人である」と誰もが少なからず思っていて、なぜかプラスで「他の人もそう思ってほしい」という意識を持っているのかもしれない。

出典:ReVision of Sence【リビジョン オブ センス】 メンバープロフィール

ReVision of Senceというバンドが、その破天荒なパフォーマンスや売り方からもはや「炎上バンド」とまで言われており、ファンが「音楽は好きで、ライブも観ていて応援しているんだけど、リビジョンのファンだということはなかなか人に言うのをためらう」と言っているのを見たときにはなんとなく悲しくなった。
自分の好きなものを好きと言えないのもそうだが、好きだけど自信が無いというのが。なんならもうそのコメントを見たときの延長でこれを書いているといっても過言ではない。

なにかと「○○のファンは~」と言われがちな世の中である。例に挙げた渋谷のハロウィンのやつだって、「これだからパリピは」と言われていたし。
冷静に考えたら安全とは到底言えないイベントだが、こういったファン心理がフェスやライブなどをOKな世界に保っていると思う。