一回観たら最後Fear, and Loathing in Las Vegasが意味わからないけどクセになる

“覚えにくいバンド名”界では他の追随を許さない、Fear, and Loathing in Las Vegas。
英語の字面で覚えていると完全に覚えられない。もはやファンからも(愛を込めて)「なんちゃらラスベガス」と呼ばれている。素で「なんちゃらラスベガス」と呼んでいる人も多分いる。
「フィアー アンド ロージング イン ラスベガス」。一度声に出して読んでみよう、そして3日後にもう一度声に出して読んでみよう。

このFear, and Loathing in Las Vegasだが、特徴的なのはそのバンド名だけではなく、むしろその音楽にある。
その唯一無二の音楽性で人気を獲得し、フェスではかなり出演している。なんせ名前がコレなので脳が反復することが無くするするーっとぬけてしまうのか、あまり聞いたことが無いぞと思う方もいるかもしれない(私がそうだった)が、実際のところ本当にかなりの本数出ている。

こちらがそのFear, and Loathing in Las Vegasで、アニメ”寄生獣 セイの格率”オープニングテーマとしてタイアップしたこともあって多分一番有名な”Let Me Hear”
聴いてもらうとわかるがめちゃめちゃカッコいい。メリハリがすごい。

クリーン/スクリームのツインボーカル

最早特徴しかないともいえるが、敢えて最大の特徴を述べるとすればSoとMinamiによるクリーンボーカル・スクリームボーカルの合わせ技である。
Wikipediaによれば他のメンバーもボーカルを担当しているとのことだが、ざっくりとこの2人がボーカルという認識でいいだろう。

クリーンパートに関してはどこまでもクリアー。
エフェクトのかかったSoのハイトーンボイスが、ピコピコ系のエレクトロニックなサウンド感にマッチして気持ちいい。ボーカロイドの頂点みたいな感じがする。

そこにMinamiのデスボイスやシャウトが入るわけだが、最初はびっくりするものの、だんだんクセになってくるから怖い
デスボイスというジャンル(?)にはあまり惹かれていなかったのだが、クリアーの極みみたいなSoのボーカルと、機械的なサウンド感に囲まれると急にその「違和感」が気持ち悪くなくなるというか、情報量の多さが逆に気持ちいい。ついていけない感じが逆に楽しい。うん、何言ってるかわからない。

1曲にめちゃめちゃ詰め込む

1曲の中で曲調が何度も変化する。しかもこの一曲に限ったことではないようだ。
本当に同じ曲か?と思うほどにジャンルを超えて激しく音楽が展開し、都度レベルが高い。アルバムを聴いているとどこで曲が終わって次の曲に行ったのかわからない。
こんなに1曲にあれもこれも詰め込んで、これ実はタイトル付けるのが一番大変なのではないか。

展開の繋ぎがいちいちカッコいい。2:41あたりからの急な展開+ハイトーンボイスは鳥肌物である。

メンバーの詳細は不明

要素を詰め込みまくるのも、目まぐるしく音楽が展開するのも、それで気持ちよく聴こえるのも全てはテクニックありきで成り立っていることである。
じゃあそのメンバーはどんな人なのかというと、詳細はほぼ出てこない。
数人の出身地と平均年齢のみ出てきたが、デビュー当時の平均年齢が19歳。デビューが2010年なので今は平均26~27歳だろうか。

出典:Fear, and Loathing in Las Vegas公式

…にわかには信じ難いが、真ん中の2人が17歳くらいなのだろうか。
いやそんなことはさすがにないと思うけど凄いテクニックであることに間違いはない

平均年齢19歳という新世代の才覚で、エモ・スクリーモ・メタル・ダンスミュージックなど様々なジャンルの音楽を消化し詰め込んだ彼らの音楽はまさにカオス。
オートチューンを取り入れた美メロと破壊的なシャウトが交錯するツインボーカルスタイルも相まってライヴハウスで唯一無二の存在感を放ち、オーディエンスの間で話題に。
引用:Fear, and Loathing in Las Vegas|Biography

ジャンルは何になるんだろうというところだが、公式だと上記、Wikipediaでは「ポスト・ハードコア、メタルコア、エレクトロニカ、スクリーモ、電子音楽、エレクトロニコア、トランスコア」と出てきた。
つまりはこれというジャンルに分けられていない
というか公式でカオスって言ってしまうのか。「いい意味でカオス」って言いたかったけど失礼かと思って避けた私の努力は何だったのか。

さらに気になるのは誰がこの曲を作っているのか?というところである。

出典:Uta-Net

まさかのみんなで作ってるという結果。
いやこの人数が集まって、結果これができるのはすごすぎる。逆に全員で作っているからこそなのかもしれないが。

そんなわけで謎が深すぎ名前長すぎなFear, and Loathing in Las Vegasがクセになってしまって最近聴いている。
ジャンルに縛られず、完全に音楽という現象そのものを楽しんでいる感じがする。
冬フェスで聴ける機会があるので行ってみようと思っている。