カラオケで本人映像以外の曲を選択した場合、当然のことながらカラオケのイメージ映像が流れる。
あのイメージ映像だが、あぁこのカラオケマシーンなりに考えて選んでくれたのかなみたいなイメージ映像が流れることが多いと思う。
冬の曲では夜の街で雪が降るシーンが映されたり、「桜」がタイトルに入っていたら桜の映像から始まったり。
しかし時にはそれじゃない映像が流れてしまうことも多々ある。(そもそも本人映像以外は「それじゃない」のだが)
なんとなく汎用性の高そうな映像が色々な曲にふわっとあてはめられているので当然といえば当然である。
その中でもっとも「ちょっと待って」となったのが米津玄師さんの”LOSER”だった。
元々の”LOSER”のMVでは、米津玄師さんご本人が陽が沈みそうな時間の教室とか、トンネルみたいなところとか夜の屋上とか、そういった薄暗いところで倒れるか倒れないかみたいな見たことの無いジャンルのダンスを踊っている。
それが「かっこいい」になっているのが”LOSER”のMVなのだが、何の要素を拾ってしまったのか本人映像が入っていないカラオケマシーンで”LOSER”を入れたところ、おじさんが微妙に薄暗い空間でこっちをガン見しながら割と俊敏なダンスを披露してくるという謎映像が流れ、一気に面白演出になってしまった。
そのおじさんが躍る映像というのがカラオケマシーンの引き出しにあったことに関しても突っ込むべきだが、確かにMVのシチュエーションをカラオケマシーンが知っていたのだとしたら、それに対してカラオケマシーンが彼なりに考えてこうなるのはまぁわかる。
しかし歌詞の内容以外の情報までカラオケマシーンは知っているのだろうか。
カラオケマシーンの映像チョイスの仕組み

●イメージ映像が移り変わる仕組みとは?
「カラオケの背景映像は、歌詞に登場する『好き』『雪』『夏』などの歌詞の一部や、歌われる季節などに合うように、膨大な映像ライブラリーから振り分けられたものが自動で流れます。なかには地名が紐づいていて、北海道や沖縄の映像が流れる場合も。ちなみにランダムに選ばれるため、同じ曲でもまったく異なる映像が流れますし、曲によっては同じ映像が繰り返し流れることもあります」
映像はほぼすべて自前で作っており、映像制作に長けたスタッフがコンセプトや台本を決めて撮影しているのだとか。最近も東北のお祭りを撮影したそうだ。また、近年ではボーカロイド曲の人気を受け、曲の雰囲気にあったグラフィック映像も制作しているという。
「アーティスト本人のライブ映像やMVが主流になり、制作本数は少なくなりましたが、東京のスカイツリーのような新しい建物だったり、風景の大きな変化があったりすれば随時撮影して時代遅れにならないよう配慮しています。また、年月を経ても使えるように、携帯電話や車など時代によって変化しやすいものはできるだけ映さないといった工夫もしているんですよ」
かなり苦労されているようだ…。しかし公式のMVに基づくということはどうやらなさそうである。
そうなってくると歌詞から引っ張ってこられる可能性が高いことになるが、”LOSER”ってダンスの歌というわけではないのにそんなに”ダンス”に関するキーワードがあったのだろうか。
米津玄師”LOSER”中に”ダンス”の映像が呼び出されそうな歌詞はどのくらいあるのか

歌詞を改めて読んでみたら「踊る」という単語が「踊り」や「踊って」などを含め5回あった。
目立って多いとも言えないが、他に目立ってよく出てくるワードも季節感や地域性を感じる表現もないためこの「踊る」というワードが拾われたのかもしれない。
冒頭に「踊り踊りだす明日に出会うためにさよなら」という歌詞があるためそれに反応している可能性も考えられる。
まさか今どきのカラオケマシーンは公式のMV情報も入っているのか?と思ったが調べてみるとこのような仕組みだったようだ。
なんにせよ言えることは、米津玄師のLOSERを本人映像以外でカラオケに入れる際には、映像を選択できる機能を使って当たり障りない夜景とかの映像が流れるようにしておくといいよということである。
完全ランダムで流れるとのことなので絶対になってしまうわけではないが、意図せず面白い結果になってしまう可能性がある。