ハイレベルな作曲・演奏力と独特のメロディー、キーボードが目立つある種機械的とも言えるサウンド、Vo.大胡田なつきさんの印象的かつ非現実的(超いい意味で)な歌声で人気のパスピエ。
去年の今頃に顔出しが解禁されて話題になったのだが、そもそもなぜ顔を隠していたのだろうか。
人気に繋がりにくい外見…であるならまだわかるが、顔出しが解禁されたそのビジュアルは、悪いどころかむしろいいとすら思うのだ。なんなら隠さない方が人気が出ていたかもしれない。
紅一点の大胡田なつきさんの美しさはもちろん、他のパートの男性陣もバンドマン的に言ったら相当いいビジュアル。好みが分かれるところだと思うが私はBa.の露崎義邦さんがタイプだ。
何が言いたいのかというと、隠す必要が無いのになぜ隠していて、なぜ突然それをやめたのかが気になったので調べてみた、という話である。
顔隠しの理由


顔出し解禁の2016年5月まで、MVやアー写などメディアにおいてパスピエは顔を隠す演出をしてきた。厳密に言うと完全な顔の非公開ではなく、ライブ時には隠してはいないし、メディアでの隠し演出もチラ見せ程度のもどかしい感じをキープしてきた。ピントをわざとぼかして隠したりとか、もので隠したり見切れさせたり仮面をつけたり。遊び心のようにも思える。
調べて初めて知ったが、パスピエのアー写のディレクションは”鈴木シゲルと鈴木メグによるクリエイティブ・ユニット THE ME“が手がけているようだ。
隠し方といい、色使いといいめちゃくちゃハイセンス。Tシャツ一枚買ってしまった。
さて本題に戻り、顔隠しの理由について書いていた記事があったので引用させていただく。
“『パスピエ』というバンドの在り方に答えたもの”とのことだ。
ネットや色々なメディアが発達したことで音楽が身近になる一方、人々はその身近さで飽和し、数多くの音楽の中から何かを取捨選択することが難しくなってきた現在、音楽の伝え方というのが限られてきている。
そのため、自分たちの作品を唯一無二のものとして提示するためには手法や見せ方など新しい発信の仕方を探らなければならないと考えている。
バンドというカテゴリーだけでくくられず、音楽好きな人だけではなく絵が好きだったりカルチャー全般が好きだったりと、色々な人に愛され、新しい角度から評価されるバンドになりたい。
いつどこで話された内容なのかは明らかではないが、このような理由らしい。
顔を隠すことというよりは、顔を隠すことで他の視点から自分たちを見てもらおうということのようだ。
顔出しの理由

次に顔出しの理由である。これに関してはインタビュー記事が載っていた。
なぜ、このタイミングで顔出しを解禁したの?という質問に対する答えが語られている。
顔を出すということについて、顔を出していない、いろんなバンドがいるなかで、パスピエはずっとグレーゾーンをさまよってきたわけじゃないですか? でも、決して隠したくてとか、出すのが嫌でとかではなく、面白がってやっていたんです。で、去年3rdアルバム出して、武道館公演も終えて、一つの節目を迎えたなと思って、2016年から何か変えていこうという話をしたときに“じゃあ、そういうトライもしてみようか”という話も出て(顔出しを)やってみたの。
(顔を出して)残念がる人もいるだろうけど、パスピエの根本のスタイルはまったく変わっていない。いい曲といいライブを届けていくという2つの軸を中心に、もっと面白いことに手を出していければ
“顔を出して残念がる人もいるだろう”という部分に、顔出しするか否かについて相当考えられたのだなぁということや、自分たちのファンを大事にしているんだなという思いが感じ取れた。
ちゃんとそこに対して、見せ方は変わっても今までのライブスタイルや音楽の方向性は変わらないとしっかりとフォロー(?)しているのも素晴らしい対応なのではないか。
音源を聴くと、Vo.大胡田なつきさんの歌声は人間離れしたとってもかわいらしい声質。
その顔に対する期待値は相当高かったと思われるが、期待を裏切らない美人さんだった。他の男性メンバーに関しても夢が壊れるどころかむしろ喜んでしまうくらいのビジュアル。
「あげて落とす」にならなかったのも込みで、パスピエの顔隠し→顔出しは成功だったと私は思う。