見えない・苦しいの二重苦なはずの低身長な人ほど、最前を目指すのはなぜなのか

私の身長はおよそ156cmである。
一般的には「ヒール履くことを考えるとそれくらいがベスト」ってやつだが、ことライブでという観点においては、この身長ゆえにステージが見にくい…前に見えるあの人くらい背があったらどれだけいいだろうな、とほぼ毎回思う。
もっと平均を大きく下回る身長の方もいる中贅沢な発言ではあるが、どちらかというと不便な身長であると言える。

スタンディングのライブ会場においては背が低いと色々都合が悪いし、体積も比例して小さい分危ないといえば危ない。
にも関わらず、最近「なんか前行きたがる人って総じて背ちっちゃめじゃないか?」ということを感じた。

そんな私のしょうもない疑問と、高身長に聞いた高身長だって考えてるんだぞという話である。

身長が低いゆえに起こること

出典:ぱくたそ

まず当たり前だが、スタンディングのライブ会場において基本的にステージを見るのに不利である。

最前エリアにいた場合なんか、左右にズレるとかいうスペースもないため前に大きい人が来たらアウトだし、いくらステージからの物理的な距離が近くても周りの人間に埋もれてしまうため、よっぽど柵つかんでるとかそういうレベルの最前でないと見える保証はない。

個人的にはちょっとステージから離れた位置について左右の空間にゆとりを持ち、前の人たちの様子次第でズレながらステージへの視界を確保していくスタイルで毎回満足できる結果を得ている。

で、次のこれは長身の人には知られていないことかと思うが、会場内の酸素濃度が薄くなっている場合に最前エリアにいると本気で生命の危機を感じるほどに苦しい。酸素下さい。

いざという時のために一番近いスタッフさんの位置を確認するまである。
これ初めは「私が慣れてないだけかな?体力が無いだけかな?」と思っていたが、他の人の話を聞いているとやはりどうやら身長も関係しているらしい。

でも前の方にいるのって小さい人多くない?

ちょっと後ろに下がれば苦しくもないし、全編にわたってしっかりとはいかないものの、わりかし見えるようにはなる。
自分が動いたりとかっていう大したことない工夫さえすれば、最低でも1曲に1回はアーティストの姿を拝めるだろう。

にも関わらず、低身長族の無謀ともいえる最善への挑戦は留まるところを知らない
しかもなんやかんや最前エリアに突っ込んでいく人は見えないことに不満を持つことなく結果的にだいたい満足して帰ってこれているように思う
なぜなのか。そこには高身長な人の少なからずの葛藤と計らいがある

高身長の人だって悩んでる

出典:写真AC

私の弟は178cmと比較的高身長に分類される身長である。それちゃんと測ったの高3じゃん(今は大卒1年目)…って感じなので現在は下手したら180cmあるかもしれない。

そんな弟とライブに行って、会場に入り、比較的低身長な私がここは見えなさそうとか言いながら今日観る位置を探していた一方で、弟の方は「俺ここだと邪魔になっちゃうから柵のちょい前くらいがいい」と、自分が見えるとか見えないとかではなく、邪魔になっちゃうかなっちゃわないかという点を気にしていた。

いいやつかよ!と思ったが「背の高いやつは基本みんなそこ気にしてる」とのこと。
まずもって「見えないかも」って心配はないのだろう。

背の高い人は気にしてるってほんとかな?と思ったが、それを知ったうえで改めて会場を見渡すと確かに会場前方よりも後方の方が、圧倒的に高身長の人が多かった

なるほど、そんなわけで、
「遠慮なく前に行ける+もっと見えるところに行きたい→前方へ」な低身長と、
「後ろの人の視界を埋めるのは気が引ける+どこでも快適に見られる→後方へ」な高身長
という絶妙な精神事情により、「しんどくなるはずの低身長こそなぜか前に行きたがる」という現象が起きるっぽい。

高身長だからって安易にそこに最前という条件をプラスして最強の存在になろうという感じではないようだ。
こうして分が悪いはずの低身長がなぜか前の方に集まっているという状況ができているということか。

跳ぶとかもちょっと気にするらしく、「その点小さい人は思う存分ぴょんぴょん跳ねたってそうそう迷惑がられないから、場合によっては羨ましい時もある、基本的には高身長のが楽だけど」とのことだった。なるほど。

そんな私は先日シークレットインソールなるものを買ってみた。これで160cmくらいに底上げされるはず…少しだけ高くなった世界を体感できるかと思う。