THE ORAL CIGARETTESの新曲「ReI」が賛同を得た理由を考えた

THE ORAL CIGARETTESの新曲「ReI」の無料ダウンロードが「ReIproject」の特設サイトにて開始されている。

「ReI project」に関しては、全貌が見え切っていないこともあり、まだ特筆するような感想は特に持っていないが、結論から言うと、私はこの「ReI」という曲とその演奏に心動かされた

無料ダウンロードが始まるまで

出典:THE ORAL CIGARETTES(@oral_official) | Twitter

2017年の秋~冬頃からか、THE ORAL CIGARETTESが各地ライブやフェスで新曲「ReI」を演奏するようになった。

現在は誰でも無料で新曲「ReI」をダウンロードできるようにされているが、これまではその日その日のステージパフォーマンス中に、そこにいる人全員が今日家に帰るまで覚えておけるようなシンプルなパスワードが発表され、その日中はReI-project特設サイトにて楽曲を聴くことが可能になるというシステムがしばらくの間続いていた。

名古屋のMERRY ROCK PARADE、日本最大級年末フェスCOUNT DOWN JAPAN 1718にて私も両日とも演奏を聴き、両日ともパスワードを入れて「ReI」を聴いた。

私がどう受け取ったとしてもきっとこの曲を作ったVo.山中拓也さんの意図とはずれてしまう気がして、安易に感想を述べられないのだが、とにかくすごく感動した
ステージでも感動するのだが、帰ってから歌詞だけが流れる映像と共に落ち着いて聴くとそれもまた違った感情が動く

どういう気持ちで作った曲なのかをしっかりとリスナーに伝えたのが賛同につながった?

「ReI」は彼らが2016年10月に対バンツアー「唇対バンTOUR 2016~キラーチューン祭り巡業行脚の巻~」で福島に訪れたことをきっかけに制作し始めたナンバーだ。
これまでは自身が体験していない出来事や感情を歌うことに躊躇していたという山中拓也(Vo, G)。
彼は被災地の人々の声に直接触れたことで生まれた特別な感情を歌にしようと決意し、時間をかけてこの楽曲を完成させた。
山中は本日のライブで「ReI」をこのような方法で発表したことへの思いを語った。
その詳細は「ReIproject」の特設サイトにも記載されている。

引用:音楽ナタリー

こういうのって、賛否両論を招いてSNSでいろいろ言われちゃったりするケースがかなり多いと思うのだが、ReIに関しては「否」の言葉をほとんど見かけなかった

本来私はチャリティーとかそういうのはあまり好きではない。
音楽には気持ちそのものももちろん重要だと思うし、その曲を現地の人が歌っている映像などを見て何も思わないわけではない。
だが、気持ちや人にフォーカスが当たりすぎて、気持ちを表現するためのアーティストの技術の部分に対してされるべき評価がされぬまま終わってしまうように感じることが多いからだ。

そういう考えを持っている私にですら、マイナスな先入観なく聴けて、こんなにも感情が動いたのはステージでの山中さんのMCのおかげかと思う。
詳細に覚えてはいないが、この人に「チャリティー」なんていうビジネス的な考えはないとはっきりわかった。ReI projectの特設サイトにも明記されている。

山中さんも「これまでは自身が体験していない出来事や感情を歌うことに躊躇していた」とのことで、「歌以外で多くを語らない」という考えよりも「リスナーに誤解なく正しく伝えること」を優先し、心情の変化まで敢えてMCでしっかりと言葉にて伝えたのも、今回リスナーが置いてけぼりにならず、支持を得られた要因だったように思う。
あの決して長くないMCの時間で誤解なく伝えられる話力も相当に凄い。
演奏後に「聴いてほしい時にしっかり聴いてくれるファンでうれしい。ありがとう。」と言っていたのも印象的。

また、Gt.鈴木重伸さんがステージ上で全力で歌っていたのにも心打たれた。
マイクはないため当然生声が届くことはないのだが、あの様子を見て響いた人は私の他にも多くいたのではないかと思う。

THE ORAL CIGARETTESの「感情と向き合った楽曲作り」が、今回のバンドのやりたいことに最大限活かされた

出典:THE ORAL CIGARETTES(@oral_official) | Twitter

フェスなどで客観的に見ると、ファンには明るい若者が集まっており、さらにメンバーのビジュアルも整っているばかりに華やかな雰囲気が感じられるが、中身を見てみるとTHE ORAL CIGARETTESには人間の負の感情を歌にした作品が多い

作曲やライブパフォーマンスやルックスばかりではなく、作り手が感情と向き合って作ってきた歌詞が共感を集めていることもあってバンドが今の人気に至っていると考えると、この「ReI」は、世の中に数ある被災地のために歌った歌の中でもすごく純度も表現の質も高いものになっているのではないだろうか。

今回の「ReI」がここまで批判されず、逆に「チャリティーっぽいのはあんま好きくないな」と思っていた人にも響いたのにはこういった理由があるのかな、と私は思った。